エグゼクティブ経営コーチング

インターネットの普及などにより人間の処理能力をはるかに超えたデータが毎秒毎分嵐のように押し寄せています。それらすべての情報を処理することは不可能になっています。

大量データが押し寄せるイメージ

一方でコンピュータが人間の能力を超えることが起きています。それはコンピュータの処理能力が向上した結果です。プロセスではなく結果として起きているのです。コンピュータが行っているのはデータの処理であって思考ではありません。ですからコンピュータの方が早く計算ができるのです。

理性と感情を一度にコンピュータで演算処理することは簡単ではありません。それは次元の異なる多くの課題を一度に処理しようとしているのと同じです。それは一部の論理思考を解決するにすぎないのです。

では思考力とは何でしょう。思考は人間が持っている理性と感情、倫理観と潜在意識との葛藤です。人間には常識という社会生活の中で得てきた価値観や知識、判断力のほかに倫理観というものがあり、それらが葛藤を起こすのです。

人はお互いに尊敬し合って生きていくことが求められていますが、時には自分の信念、固定観念のせいで「自分はこれが正しい」、「これが良いこと」と思いこむことがあります。その正しさを科学的に証明できるわけではなく、むやみに信じこみ、崇拝したりするのです。それらは行動であり、人を貶めることもあれば人を幸せにすることもあり、様々です。

弁護士には弁護士の倫理があり、公認会計士にはそれなりの倫理があります。医者にも倫理があり、コーチにもあるのです。一般常識として定義されて持っています。

またここに挙げた士業の人達は国から定められた倫理規定、ポリシーを遵守することが求められています。学校の先生はどうでしょうか。もちろん倫理はあるのですが、特に国からポリシー化されていないのでいろいろな問題が起きています。

倫理の欠如といえば、ハラスメント(パワハラ、セクハラ)、死、そしてポピュリズムなどもその結果です。これは個人ではなく多くの人達の異なる常識のバランスの塊によって生じているのです。その場合には、自分がどの様な環境にいるかどの種族、階層、集合知のグループにいるかが大切な要素となります。

自己中心的な人は自分のわがままを押し通します。会社の社長でも自分が成功させたことを繰り返し自慢しているのをよく見ます。その自慢話が度を越えていても社員は給料をもらう手前、逆らうことができないのです。これからの世の中、トップがこのように過去のことにこだわり、過去のことは過去のことと割り切って未来を考えることができない会社は生き残れないでしょう。これからは社長や役員の自分勝手で過激な発言が通用する時代ではないのです。

社員が多い会社はたくさんの人を育てるために社員同士互いに尊敬させ、協力させて物事を進めるようにすることができます。しかし、小さな企業、団体、特に利益団体においては、そのようなことをしていると効率が悪く、自分が全てを決めて自分の意見に合わない人は取り除くことが一番だと思っている人が多く見られます。それはバランスの問題です。バランスには平準バランスとそうでない人たちの多くが持っている特殊バランスがあります。

また、大きな会社ほど全員を同じ方向に向かせ、チームワークを乱さずに方向転換をすることは容易ではありません。皆を一定の方向に向かわせないと戦略が乱れ、バラバラになります。大きな会社が駄目になる時はトップが悪い方向に向かっているときです。そしてメンバーのやる気を損ねたり、価値観を下げる要因にもなるのです。

この先資本主義は徐々に社会主義に変わっていきます。ほんの一部の人が権力を握り、莫大な報酬を得ている状況では、下の層の人達は最低限の賃金を求めて結託していきます。そしてポピュリズムが起こるのです。

1980年から2010年にかけて日本でもNPOが多く設立されました。小金を持った人たちが貧しい人たちを助けようと思い立ち、始めたのです。これらは自尊心から生じたこともあれば自己実現から自分では気づかないうちにこれらのことが当たり前のこととして行動に出ている場合があります。これはアメリカのように富豪が学校を寄付したり、病院を作ったり、奨学金を出して頭の良い生徒がもっと勉強できるようにすることとは異なった草の根運動です。

今では学生だけでなく一般の人達が組織を作り、行動を起こすのです。それが暴動化することもあります。それらの情報は恣意的に作られることもあり、IT技術の怖さを知ることになるのです。香港の暴動もそうですし、イギリスのBrexitも同じです。また日本では逆におとなしくなりすぎて自分が主張できなくなっていることもあります。それは政党が偏って機能しているからでしょう。

答えがいくつもあったり、答えが無かったりするのです。

今までは個人のことを話してきましたが、これがチーム、複数の人達との話になるともっと不思議な現象が集団行動として起こるのです。思考の矛盾ではなくお互いが反応しあってコリジョン(衝突)を起こすのです。そこから新しいエネルギーが生じて全く新しい結果が生まれるのです。それは核爆発にも似た現象です。その現象がいろいろな所で起こっているのです。Swedenの少女が国連で話したとたん世界中の中学生が同調したのも同様です。

今その様な課題を定義すればよいというわけではありません。これらは国の倫理と正義、そして義務からなってくるのです。

さて我々はどのような立場で物事の思考をすることが求められているのでしょうか。特にこれらのリーダーの方の発言、これからリーダーになる人たちの資質を如何に向上させることが大切かお分かりになりましたか。

杉井 要一郎

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